髪は「切る」んじゃなくて、どのくらい「残す」か
「今日はどのくらい切りますか?」
席について開口一番、美容師が言う言葉ですよね。
ぼくはこの言葉があまり好きじゃないんです。
お客様は髪を切りに来ているんだから、
「どのくらい切りますか?」
で合ってはいるんですけど、
ぼくは、
「今日はどんなふうになりたいですか?」
「今日はどんなイメージですか?」
「今はどこが気になっていますか?」
と聞くべきだと思っています。
そもそも、
「お客様の髪をどのくらい切るか」
と考えるのではなく、
「お客様の雰囲気に合わせて髪をどのくらい残すか」
を考えるべきです。
お客様からも、
「〇〇㎝切ってください」
と言われることがありますが、その通りに〇〇㎝切ることはありません。
なんで〇〇㎝切りたいのか、そのお話を伺ってからどのくらいカットして、どのくらい残すかを決めます。
なので、全ての髪の毛を同じだけ〇〇㎝切るということはないんです。
ご来店いただいたときのヘアスタイルのバランス。
お客様の今日のご希望。
今、髪の毛のどこが気になるのか。
こういったことをお話を伺い、全体のバランスが良くなるようにご提案します。
カットは、言われたとおりに短く切ればいいわけではないと考えています。
ご希望を伺い、それを踏まえて、
そのひとのどこにどのくらい髪が残っていたら似合うのかを考えてカットすることが、似合わせるカットだと思います。